診療内容

反復性中耳炎

反復性中耳炎とは?

その名の通り「繰り返す中耳炎」のことを反復性中耳炎といいます。

目安として半年間に3回以上、1年間に4回以上の急性中耳炎になった場合を「反復性中耳炎」といいます。反復性中耳炎には急性中耳炎を繰り返す場合と、滲出性中耳炎を合併している場合があり、多くは後者です。

反復性中耳炎になりやすい因子

下記の因子があると反復性中耳炎になることが多いので注意が必要です。

 

1.2歳未満の低年齢

 

2.集団保育、兄弟あり

抵抗力が未熟な低年齢の子供同士が細菌やウイルスをうつしあってしまうためと考えられます。

 

3.抗生物質に対して抵抗力を持った細菌(薬剤耐性菌)が原因菌の場合

 

4.耳管機能の未発達

 

5.母乳哺育の欠如

 

6.両親の喫煙

反復性中耳炎の治療

初期治療は急性中耳炎と同じですが、薬剤耐性菌が原因の場合、通常の急性中耳炎の治療のみでは良くならない場合が多いです。

そこで以下のような治療を行います。

 

1.内服の抗生物質の倍量投与
鼻汁から採取した細菌検査に基づき、適切な抗菌薬の選択、必要量を投与します。通常量の1.5〜2倍の抗生物質を内服して、抗生物質の血中濃度を高めて薬剤耐性菌を除菌する方法があります。下痢などの消化器症状が強く生じる場合があります。

 

2.鼓膜切開? それとも 鼓膜換気チューブの留置?
鼓膜切開は本邦の症例対照研究で反復性中耳炎の発症頻度低下に有意な効果は認められていない(Nomura et al 2005)が、鼓膜換気チューブの1年あるいは1か月の短期留置で罹患頻度の有意な低下が示されている(宇野 2007)ため、当院で可能な患者さんには鼓膜換気チューブの留置を行います。